今回は、「ドット絵でマップを描こう」シリーズの途中で描いた『ポインター』のドット絵メイキングをおとどけします。
昔めちゃくちゃ楽しんだRPGシリーズ『真・女神転生』の"地上マップで主人公の位置を示すアイコン"を念頭において描きましたが、その正体は公衆トイレの"Gentleman"マークを立体的にしたものと考えていいでしょう(?)
『真・女神転生』のゲーム中でも、トイレを探してモジモジ・キョロキョロしている様子で動きます。
「言うは易し」の下描き
ポインターは、本来なら基礎的・直線的な図形の組み合わせですから簡単に描けるところなのですが、構図を「微妙な角度」のマップにあわせる必要があり、かなりハードルが高くなります。
しかもドット絵自体が小さく、マップの1マスにあわせたキャンバスの幅は24ドットしかありません。自分の感性で図形のかたちを変えるわけにもいかないので、ガイドラインを引いて、定規を使うようにして描いていきます。「設計上、これで正しい」と言い張るしかないこともあるのです。
手順① ハーフサイズのブロックを3つ重ねた空間を想定し、その中心に"背骨"になる縦の直線を引いておきます。
手順② 縦線の中央を"首の付け根"と仮定し、ピンクのドットを置きます。そこから前後(画面左下と右上)に向けて胸~背の厚みを、左右(左上と右下)に向けて肩幅を示すラインを十字に引きます。
フチと塗りを整える
バランスは良さそうなので、あとは細部を整えていきましょう。
手順⑤ 頭部を立体化。パチンコ玉のつもりでハイライトを入れます。
手順⑥ 全体をフチドリ線で囲みます。ガイドラインはもう必要ないので、消します。
手順⑦ フチドリ線にも明暗の差をつけて塗り分けます。また、左肩(キャンバス右側)の上面が広いのが気になるので、胴体との境界に中間色を入れて少しごまかし、頭部の影も加えます。
着色して完成!
あとは、着色すれば完成です!
こうして薄グレー背景に置くと「水色が濃すぎる!」という感じがしますが……
ファンシーなゲームっぽいマップ上に置くと、こうですから、そうおかしくもないわけです。
個々のドット絵を描いているときは、背景のことを失念して、あっさりした綺麗な色にしたくなるところなんですけどね。このポインターは絵全体のなかで"主人公の位置"を示すために目立たなければいけない存在なので、それなりに派手にしておく必要があるのです。
もし目立たなくしてしまえば……それこそトイレを探すように、モジモジ・キョロキョロしてしまうことになりかねませんからね!
(おしまい)