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ドット絵ライブラリー
ドット絵メイキング『6面ダイス』
2023年2月25日(土曜日)

今回は2022年の夏休みの自由研究企画「遊べるものをつくろう!」で使用した『6面ダイス』、いわゆるサイコロのメイキングをおとどけします!

「こんな簡単そうなの、メイキングは必要なさそう。ノウハウもなにもないでのでは?」と思うかもしれませんが、シンプルな形状だけに意外と苦労と学びがあったのです。

1. まずは箱を用意
ダイスは小さいものですし、大して情報量の多いものではありませんから、16x16ドットの小さなキャンバス描くことにします。以前描いた『ダンボール箱』の途中画像をもとにして作業を始めます。ま、ただの四角系です。

2. 少し大きく&丸くする
手順1の四角形では、ダイスの丸みを出すのが少し厳しめ。そこで全体を少し大きくしつつ、角を取って丸くしていきます。

また、上面が小さいせいで少し背が低く見えていたので、上面の面積を充分にとって全体のバランスを調整します。

3. 色を決める
ダイス各面の「数」を入れていく前に、ベースの色を確定させつつ、色の塗り替えを行ないます。

もとのダンボール箱は側面がメインの顔となるので左側面が一番明るかったのですが、ダイスは上面の「出目」が主役ですから、上面を明るくします。


このとき上面と側面の境を中間色にすることでダイスの丸さを表現しますが、ここにひとつ問題があります。

中間色を見て区別できる色にするためには、上面色と側面色にそれなりの差が必要ですが、側面が暗くなりすぎると絵全体が暗くなってしまうのです。何度か塗り替えて、見直して……を繰り返します。

また、本来なら右面と左面の間も中間色にして丸みを出すべきなのですが、2ドットの幅にすると太すぎるので、今回はやめておきました。

4. 出目「1」を入れる
あとあと記事などのナンバリングに使おうと思っていたので、出目は1~6すべてを用意することにしました。まずは、「1」からです。

上面の「1」自体はただの赤い点ひとつなので特になんの問題もないのですが、側面に見えている「3」の面はすでにギュウギュウ詰め状態。2x2ドットの黒点にすると点同士がつながって、ただの黒線になってしまいます。

そこで、ひとつひとつをただの点ではなく"凹み"として表現することにして、穴の側面と底面を別色に。かろうじて、点同士がつながっていないように見せることができました。

5. 出目「2」を作る
さて、次は出目「2」を作ります。


さて、ここでも問題発生。出目「2」は黒点が2個斜めに並んでいますが、斜め視点の絵に斜めを置くと「まっすぐ」になり、黒点2つの位置が水平になってしまいます。これがどうにも落ち着かないのです。

そこで今回は、「2」の黒点2つの穴の明暗を逆にすることで微妙に「ほんとは斜めなんだぜアピール」をすることにしました。まったくリアルではありません。

また側面の「6」も、黒点が3つずつセットで並んでいますが、これもそのまま黒点を3つ並べるとただの縦線2本になってしまいます。そこで、黒点3つの向きを互い違いにすることで、ごまかします。

これはこれで不等号ふたつ「><」のように見えるのですが、細かいことを気にしすぎると、まさに顔文字のように(><)こんな顔になりかねませんから、前へ進みます。「良い土地ですから前に進めてください」と昔の人も言っていたではないですか(???)。

なお、各面への「数」の配置ですが、6面ダイスは「ある面と、その裏の面を足すと7になる」という法則があります。それ以外の配置で作ってはいけないわけではありませんが、表と裏の合計が7になるのが一般的です。

出目「2」の裏は5になるため、出目「2」の側面として見えるのは、1か6の面と、3か4の面になります。1は赤く、主役であるの上面の2よりも目立ってしまうので、今回のドット絵では側面に1を見せないようにしています。

6. 出目「3」を作る
そんなこんなで穴のリアリティーは完全度外視することにして難を逃れてきたわけですが、出目「3」を作る段階でも問題が発生します。


上の画像が最初に作成した出目「3」の画像なのですが、これは間違い。正しくは下のようになります。


6の面の並びが逆だったんですね。この出目「3」のドット絵は、ちょうどひとつまえの出目「2」のダイスを左に転がした状態になっているので、ぜひ遡って確認してみてください。なお、かなり首をひねることになると思いますので、うっかり首が折れないように注意が必要です!

7. 出目「4」「5」「6」も揃えて完成!
長くなりましたが、問題点(けっこうありましたね)はさすがに出尽くしたので、あとは気を付けながら出目「4」「5」「6」を作成して、ドット絵『6面ダイス』の完成です。

ダイス 各16x16ドット

今回なかなか苦労して痛感したのは、やはり「手元に現物がほしい」ということ。「表と裏を足すと7になる」といった構造を知っていても、実在するものを描くのはやはりなかなかたいへんです。

なお今回の失敗は『ドット絵まちがいさがし』のネタとして使うことで供養していますので、未見の方はよければ楽しんでいってください。

もちろん、首折れには注意が必要です。そういう意味で供養しようというのではありませんから。

仲川正紀
誰得ドット絵芸人を名乗る野良編集者。にちよう企画班でも、文章を書いたりドット絵を描いたりしていますよ。
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