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ドット絵ライブラリー
合成モンスターを作ろう! ボム編①素材準備
2022年12月17日(土曜日)

『モンスターデザイン研究』の記事では、ドット絵で苦手なオリジナルモンスターを描けるようにモンスターデザインを学んできました。ただ、研究ばかりしていても前に進めませんから、ここで一度手を動かそうと思います。

まずはテーマを決める

今回、合成モンスターに挑戦するにあたって「かわいい系モンスターにしよう」との方針はなんとなく決めていたのですが、考えなくてはいけない大事なポイントがあります。

世の中にはファンシー系デザインの「かわいい系モンスター」が登場するゲームがいくつもありますが、「もともとかわいいもの」をモンスター化してしまっているケースがけっこうあるんですね。ネコとかウサギとか、あるいは昆虫でも蝶々のような綺麗系などなど。

それはそれでまあいいのですが、ほとんど無害な"かわいいもの"をわざわざ作って、かつ、子どもが現実のそれを敵視したり乱暴なことをしないような理由付け(操られているとか、ゾンビ化したとか)をするのは本末転倒な気がするのです。

はじめはウサギやネコのような小動物を「問題ないかたち」でモンスター化してみようかと思っていたのですが、これはさすがに難しく、荷が重いのでやる前からギブアップ! いつか、良いアイディアを思いついたらあらためて挑戦するかもしれません。

ゲームではありませんがアニメ『プリキュア』だと、敵役は「子どもたちが気を付けなくてはいけないもの」がほとんどです。蜂とか、サラリーマン(笑)とか。

そこで今回は、天野喜孝さんデザインのモンスターのなかでも1、2を争う「かわいさ」を持つ「ボム」を、天野さんとは違うかたちで、かつFF11に習って合成モンスターにしてみてはどうかと考えたわけです。

「モンスターデザイン初心者が、いきなり天野さんに挑戦かよ!」と思う方もいるかもしれませんが、初心者だからこそ「まったく到達できませんでした~」と言える高い山を目指すのです。

素材① 爆弾

マンガやゲームなどでは昔から、「爆弾」と言えばこのような黒い玉が描かれることが定石です。

ただ、爆発する前の鉄球を見せられても大して危機感を覚えません。爆弾や化学について正しい知識がなければ「なかに火薬が入っているとしても、鉄のボディを打ち破って爆発できるの?」と思っても不思議ではありません。

「爆弾は危険なもの」と記号的に理解しているものの、実は見た目に危うさがあまりないのです。

しかし、FFシリーズのボムはご存じのとおりの「火の玉」的な赤い姿。"その後、爆発すること"を本質と見定め、その瞬間を抽象的に描いたデザインは、誰にでもできるものではありません。

こうしてわざわざ自分でハードルを上げるのはいかがなものかと思いますが、挑戦しがいのあるテーマであることを強く申し上げたい! のです。

爆弾 32x32ドット

素材② カボチャ

続いて、合成時の"相方"となるドット絵を描きます。これは「カボチャ」にしました。

そもそもこの鉄球型の爆弾は、上に導火線的な部分がついていて、シルエットがかなり果実などに似ています。

実は最初に思い浮かんだのはリンゴだったのですが、「真っ赤な球体」という時点で天野喜孝さんデザインのボムと丸被りで難易度アップまちがいなし! しかも、この鉄球型の爆弾は投擲タイプのもの(榴弾)なのですが、実際にリンゴっぽいかたちしていて通称「アップル」と呼ばれる手榴弾があるのです。

というわけで、リンゴはダメ~!

カボチャは野菜ですが、投げつければきっと相手を殺せる凶器のひとつでもありますから、モンスター化に相応しいでしょう。

うーん。でもこの、いかにもハロウィンなカボチャ、どういう品種なんでしょうね。よく見る緑のやつがいいな……。

ということで緑のも用意してみました。普段食べているのはこのモコモコしたタイプではなく、もっとツルっとした見た目のやつですが、色だけ変えればしっくりくるので不思議です。

カボチャ 各32x32ドット

しかしまあ、もともとシルエットが似ているから選んだとはいえ、カボチャは顔がついたランタンが思い浮かんでしまうので、「爆弾+カボチャ」の合成結果は"見え見え"かもしれませんね。

しかしめげずに、次回はこれらの素材の合成に挑戦します!

(つづく)

仲川正紀
誰得ドット絵芸人を名乗る野良編集者。にちよう企画班でも、文章を書いたりドット絵を描いたりしていますよ。
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