今回のドット絵メイキングは背景に挑戦! そして失敗! です!
背景、一枚絵のドット絵も描きたいなと思ったんです。動画配信の背景に使いたいとか、ウェブのバナーに使いたいとかあるじゃないですか。
で、まずはサイズを決めようと。
比率はやっぱり16:9でしょう。よくあるモニターの画素数「1920x1080ドット」はまさに16:9です。
ああ、じゃあ比率だけでなくサイズそのものを16:9……「16x9ドット」にしてしまおうと思ったのです。ミニマムな背景に挑戦! というのも悪くありませんからね。
はい、でも無理でした。せまい、せますぎる!
スーパーマリオみたいな背景を描ければいいなと思っていたのですが、これでは『マイクラ(Minecraft)』ですね。
無茶したな……と思ったのですが、こんなに情報量の少ないグラフィックでも、背景を描くときのコツが微妙に含まれていますので、供養も兼ねてメイキングをおとどけすることにしたわけです。
空気遠近法
まずは、山から。
左の山は濃い緑なのに右の山は薄緑になっています。
これは「空気遠近法」というもので、遥か遠方にあるものは、遠くにあるほど青白く見える効果を応用しています。
観測者(自分)と対象物(山)の間にある空気(大気)に含まれる分子によって光が散乱させられます。そのとき、波長の短い青色が散乱しやすく、距離=空気の量が大きくなるほど青く見えるのです。めちゃくちゃ雑に説明すると、空気は超薄い水色なので、その厚みが増すと青くなっていくのです。なお、空が青く見えるのは同じ理由です。
雲のかたち
次に、雲。
雲はいろいろな形がありますが、仮にその雲が円盤状だとすると、近くにある雲は下から見上げることになるので丸く、遠くにある雲は横から見ることになるので細く(横長に)なります。
このため、画面上方にある雲は近いもの、画面下方にある雲は遠いものになります。
うん……でも、上の画像では左右の雲の下端が揃っているので、よくわかりませんね。また、右の雲は遠くにあるのですから、空気遠近法で少し青くするのがよさそうです。と、いうわけで……
修正してみました。ちょっとマシになったのではないでしょうか。
アートっぽくして完成
あとは、各色を明色と暗色にわけて交互(市松模様)に塗り分けることで、画像の単調さをごまかします。ごまかしです。ただし雲までやると全体像がボケるので、雲はそのままにしています。
どうも使いみちのわからない絵に仕上がってしまいましたので、最後に「これはアートだ」と言い張って完成です。
おそまつさまでした。