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ドット絵ライブラリー
誰得ドット絵リメイキング『蓮根』
2022年9月10日(土曜日)

やあやあ誰得ドット絵芸人さんですよ。三流感・三枚目感のあるドット絵ならおまかせを(?)

今回のメイキングは以前、#140字小説『目覚まし時計』にあわせて描いた『蓮根』です。月曜日に読むなら『たわわ』よりこれ! と言える傑作(自画自賛)ですが、ドット絵の方はダメー! これはリメイクが必要です。

記事タイトルに使うドット絵は、おおむね記事本文とあわせてその日のうちに作成しているのですが、あまり時間をとれないので15分前後で描くことも珍しくありません。

小さいドット絵なのでそれだけの時間でも一応描くこと自体は可能なのですが、推敲したり、別のアイディアに切り替えたりするには時間が足りません。

ドット絵メイキングのシリーズは「上から目線で教えてやるぜ」的なものではないので、出来が悪くても修正せずそのままにし、悔やまれる点として正直に書くようにしています。「歴史修正主義、許すまじ~」みたいな話ではなく(そういうのはまた"南京錠"でも描くときにするとして)、失敗談的なもののほうが、ひとさまの役に立つのではという考えもあってのことです。

ただ、この『蓮根』はどうしても……どうしても「皮をむきたい」のです!

ドット絵『蓮根』に失敗の歴史あり

これが富野由悠季作品なら「皮むきぐらい、すぐやりなさいよ!」となじられることでしょう。わかります。実際、リアルに蓮根の皮をむくより、ドット絵で皮をむくほうが早いです。でもこのときは本当に時間がなかったんですよ~。だって、それ以前に一度失敗して方針転換しているんですもの。

最初に描いた蓮根は、これ。

絵的におもしろくするために、「カットしている蓮根(本体付き)」にしようとしたわけですが、"本体"はどう見ても「里芋」!

さらに24x24ドットの少し大きな枠にしたにも関わらず肝心の"カットした蓮根"の方が小さくなってしまい、また断面をほぼ正面に向ける構図のため"穴"をキレイにあけるのが難しい! 皮をむくのはリアル調理より簡単でも、穴をあけるのは神よりタイヘン!? ええい、もういい! というわけで作業途中で「ボツ」となったわけです。

そして、突貫作業で作りなおしたのが #140字小説『目覚まし時計』 でも使ったこちら。

カット蓮根1枚を16x16ドットにおさめました。

ボツ画像の反省を踏まえて、今回は先に穴を描いてから全体のバランスを整えることにしました。特に中心の穴との位置関係がたいせつだと身をもって知ったので、扱いやすい1ドットの穴にしています。

ま、これも穴をなくせば里芋なのは同じですけどね。

里芋をスライスして食べることは多分ないので、既視感はありません。

そして念願の"皮むき"実施

というわけで皮むきです。

まずは皮の部分を身の色に塗り替えました。

皮をむいたのに身に皮の凸凹感が残るとおかしいので、右側の凸部分もカットします。また、皮をむいた部分に1色加えて面の角度の違いを表しています。

最後に色調整をして完成です。

フチドリ線はもともと皮色をベースにした暗い色だったので、身の色にあわせて明るくします。こうすると今度は穴の中の色が際立ちすぎるので、穴色も明るくします。リアルに考えると皮をむいたからって穴のなかの色が変わることはありませんが、全体の清涼感のためと割り切ります。

蓮根(皮つき、皮なし)

疑問点

ところで今回の件は結局、資料として参照した画像が「皮をむかずにカットした蓮根」だったことに影響された結果なわけですが、そもそも皮つきで蓮根を食べる機会ってあるのでしょうか?

ぼくは酢が苦手なので蓮根といえばまず酢蓮根を思いうかべてしまうのですが、ほかに煮物の具として入っている場合も"皮なし"しか見たことがない気がします。ただゴボウは皮つきが普通ですし(そうでもない?)昨今なにかと「皮にこそ栄養がある!」と聞くことも少なくないので、実は蓮根も「皮つきで食べるのがオススメ」だったりするのでしょうか。

だとすれば、わざわざ皮をむかなくてもよかったのかもしれませんが、真実は未だ穴のなかです。

仲川正紀
誰得ドット絵芸人を名乗る野良編集者。にちよう企画班でも、文章を書いたりドット絵を描いたりしていますよ。
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